ホメオパシーは、日本語で「同種療法」とも呼ばれています。「同じようなものが、同じようなものを治す」とは? なんだか不思議ですが、この同種療法というのは、わたしたち日本人にとっても、とても身近なものなのです。 日本には昔から、母から子へと代々、伝えられてきた、いわば〝おばあちゃんの智恵袋〟と呼ばれる民間療法があります。喉がひりひり痛いときに、ショウガ湯を飲むことがありますよね。ショウガ湯を飲むと喉がひりひりと熱くなります。このひりひりした熱さは、かぜをひいて喉がひりひりするときの症状と似ていますよね。これが、同じような症状を出すもので治すということです。ぴりっとしたショウガ湯は熱くて、その〝ひりひり〟とした〝熱さ〟が、喉の〝熱っぽく〟て〝ひりひり〟した症状を治してくれるのです。かぜをひいて熱が出たときには、卵酒を飲んで体温を上げたり、ふとんをたくさんかぶったりして、〝熱〟によって〝熱〟を追い出します。ドイツには熱が出たときに熱い風呂に入るという民間療法もあるくらいなのです。 ホメオパシーというのは、体がアンバランスなときに、あえて同じようなアンバランスさを引き起こすものを与えます。すると、体がそのアンバランスさに気がついて、元に戻そうと自己治癒力が触発されます。これが同種療法の基本的な考え方なのです